「千葉県54市町村 電車旅」Vol.2をお送りします!
千葉県内人口53位(54市町村中)1、「古来からの農耕文化と信仰が残る町」睦沢町に行ってきました。
- 人口順位は地球の歩き方掲載順位に従っているため、最新データとは異なる場合がございます。 ↩︎
訪問前にXに投稿したところ、睦沢町マスコットの「うめ丸くん」がコメントをくれました。
ふるさと納税サイトの立ち上げの際に、様々な自治体に伺いました。
ふるさと納税という大きな施策に絡む仕事でも、専任の方がいらっしゃる自治体はほぼなく、皆さん兼任です。
推測ですが、うめ丸くんアカウントの運用もどなたかが兼任でされているのではないでしょうか。
メインの仕事もあろう中、草の根活動に頭が下がります。
さて、本題に入ります。
そもそも「なんでこんなことしてるの?」については、以下の記事をご覧ください。
睦沢町概要
立地

千葉県ホームページのエリア分けによると、「長生地域」に属しています。
いすみ鉄道で有名な「いすみ市」や大多喜城で知られる「大多喜町」と接した町です。
町内に鉄道は通っておらず、茂原駅からバスで30分程度の位置にあります。
歴史・文化
縄文時代や弥生時代の遺跡が見つかっており、当時から農耕が行われていたことがわかっています。
現在も町の中央を流れる瑞沢川や一宮川の恵みから、農業が主要産業です。
また、天然ガスが埋蔵されており、こちらも基幹産業の一つです。
モデルコース
タイムライン
電車やバスは土日祝の時刻を記載しています。
執筆時点(2024年10月)の時刻表ですので、実際に行かれる際は最新のものをご確認ください。
実際に訪問したスポットの順や時間と、以下モデルコースには異なる部分がございます。
「もう一度行くならこのコースと時間がベストだな」というものをモデルコースとしました。
- 10:20茂原駅着
- 11:35「茂原駅南口」停留場3番乗り場から小湊鐵道バス(茂52)で移動
※現金のみなので、要注意。
- 11:07道の駅むつざわ つどいの郷着
- 11:20徒歩移動(700m・9分)
- 11:30【ランチ】お食事処おだか
- 12:10頃徒歩移動(650m・10分)
- 12:20頃長昌寺着
- 12:25頃徒歩移動(1km・13分)
- 12:40頃【カフェ】森着
- 13:10頃徒歩移動(1.5km・20分)
- 13:30頃諏訪神社(瞳のトンネル)着
- 13:40頃徒歩移動(1.3km・17分)
- 14:00頃睦沢町総合運動公園(みどりの広場)着
※子連れ以外の方は、スキップいただいて良いと思います。
- 14:30頃徒歩移動(550m・8分)
- 14:20頃弘行寺(お寺カフェそわか)着
- 14:40頃徒歩移動(1.7km・24分)
- 15:05頃八坂神社着
- 15:10頃徒歩移動(300m・4分)
- 15:15頃成就院着
- 15:20頃徒歩移動(1.4km・20分)
- 15:40頃歓喜寺着
- 15:50頃徒歩移動(450m・7分)
- 16:02「南川橋」停留所から小湊鐵道バス(茂52)で移動
※現金のみなので、要注意
- 16:22着茂原駅着
マップ
青の番号入りがモデルコースのスポットです。
赤は行きたかったものの、時間の都合でモデルコースには含められなかったスポットです。
このマップを開いていただく(右上の「拡大地図を表示」ボタン押下)と、自動的にGoogleマップに保存されます。
二度目以降表示する方法は、以下の通り。
- Googleマップアプリ下部の「保存済み」を押下
- 画面最下部の「マイマップ」押下
一覧の中に上記マップがあるはずです。
スポット詳細
先述しましたが、実際に訪問したスポットの順や時間が異なる部分があります。
そのため、実際の訪問時間とモデルコースのタイムラインの時間とに差異が生じています。
あらかじめご了承ください。
モデルコーススポット
道の駅むつざわ つどいの郷

茂原駅からでているバスの終着点がこちら、道の駅 つどいの郷むつざわです。
とてもきれいだったのですが、調べてみると2019年の10月にリニューアルしたようです。
市場やレストランからなる複合施設なのは全国の数多くの道の駅と同じですが、こちらは一風変わっています。

まず、温泉施設があります。
しかも単なる銭湯でなく、源泉かけ流しです。
ホームページには以下のような記載があるのですが、この土地感が強くていいですよね。
地層のすき間に眠る、よう素を豊富に含んだ「かん水」と呼ばれる太古の化石海水を地場産天然ガスで温めた天然温泉
二つ目ですが、レストランが「イタリアン」です。
やや偏見ですが、地方の道の駅で「イタリアン」はあまり見かけない気がします。
実際に行ってみて感じた土地の雰囲気と「イタリアン」にも、ギャップを感じます。
ただ、地域の食材を活かしているようです。
待っているお客さんが数人おり、満席のようでした。
口コミを見る限り、本格的なイタリアンのようです。
コースでも2,800円~と、都内に比べるとかなり安い。
時間があれば食べてみたかったな〜。


道の駅や町役場でも見かけました。



子供トイレが設置され、しかもきれいでした。
子連れには非常に助かる、感謝!


他にもレンタサイクルなども運営しています。
当初「妙楽寺」に行きたくてレンタサイクルも検討しました。
ただ、子供用のチェアの貸し出しはしていないようで、行くのを諦めました。
お子さんも自身で乗れる年齢であれば、ここで借りて行かれることをお勧めします。
他のスポットと唯一逆方向で、徒歩での移動は距離があります。

後述しますが、ランチする予定だったお店が貸切で入れず、再度戻ってきてお昼ご飯を買いました。
娘が偏食なので何を食べてくれるかわからず、変な組み合わせです。
この中で、右上の「シフォン紅茶」がめちゃくちゃ美味しかったです。
見た目から受けるイメージの数倍はフワッフワで、それでいて口に入れるとしっかり紅茶の味がしました。
娘もパクパク食べていて、私自身はほとんど食べられませんでした。
お土産で買って帰れば良かったな…。
「山中久美子」と記載がありましたが、生産者の方でしょうか。
ご本人にも伝われば良いのですが。
【ランチ】お食事処おだか

こちらのお店食べログにて3.4と高スコアです。
以前の記事にも書きましたが、スコアが3.4以上のお店は、世の中の5%前後。
以下は沖縄の店で集計した例ですが、厳しく見積もっても6.5%とかなりの上位であることがわかります。
が、残念なことに、貸切で入れず。
私が行く前後で、同様に来てすぐ帰るお客さんがいました。
地元の人気店のようです。
マグロが山ほど乗った「鉄火重」が名物。
その他にも揚げ物から天ぷら、カレーまでメニューにあります。
地方のこういったお店は、値段の割に食材がいい印象です。
食べてみたかった…。
長昌寺

江戸時代に建てられた本堂の中には、平安時代の「木造不動明王坐像」が祀られていたそうです。
県指定有形文化財となっており、現在は睦沢町立歴史民俗博物館に展示されています。



【カフェ】森

私は古民家カフェが好きで、各地で訪問しています。
今回のカフェは古民家ではないのですが、事前に写真で見て、周囲の自然と調和した雰囲気が気になっていました。
訪問時は他にお客さんはおらず、オーナーと息子さんがお庭でキャッチボールをしていました。
公私がシームレスなのは、現代の理想的な生き方の一つで素敵です。
元々は白子町でパン屋さんをされていたそうですが、2019年にこちらに移住され、カフェ形態となったようです。
支払いは現金のみです。





諏訪神社(瞳のトンネル)

「南総里見八犬伝」にも登場する、オオクスで知られる諏訪神社。
この御神木は、総社の信濃国諏訪大社から分社された802年に植えられたとされています。
最近では、インスタ映えで有名になった「瞳のトンネル」の方で知られているようです。




睦沢総合運動公園(みどりの広場)

町役場のすぐ横、災害時の避難場所も兼ねた敷地です。
大型遊具が設置されており、子連れファミリーがたくさん遊んでいました。





すぐ隣の町役場にもお邪魔しました。
年季は入っていましたが、天井の高い立派な建物でした。


弘行寺(お寺カフェそわか)

「ぐぎょうじ」と読みます。
ホームページにも、門前ののぼりにも「松平信平公ゆかりの寺」と記載されています。
松平信平公はご存知でしょうか?
すみません、私は知りませんでした。
何なら帰ってきてきちんと見直すまで、「松平”定信”」だと勘違いしていました。
「定信」は中学の歴史で習いましたし、何より私は以下の歌が好きなので、印象に残っています。
「白河の清きに魚の住みかねて もとのにごりの田沼恋しき」
「白河」が「定信」を指していますが、「倹約令」をはじめとする厳しい改革で知られています。
一方の田沼は腐敗政治で決して正しくはなかったものの、民衆はそちらの方が居心地が良かった。
その状況を揶揄した歌です。
私は転じて「正論だけではものは進まぬ」という教訓を得て、これまで仕事に活かしてきました。
その「定信」と勘違いしていたのですが、「信平」も破天荒な人だったようです。
要約すると以下のようです。
- 超名門の公家出身なのに家出
- 一度も会ったことのない姉が将軍家光の正室であることをあてに、いきなり家光に会いに行く
- なぜか気に入られて領地を与えられ、取り立てられる
- その後徳川家と親縁になり、「松平」姓を名乗れるように
以下の記事がわかりやすく、そして面白かったです。
その信平公を弔ったのが、こちらのお寺とのことです。



また、こちらのお寺はカフェも運営されています。
残念ながら月火水のみの営業なので入れませんでしたが、食事も出されているようです。
八坂神社

京都を総本社とする八坂神社は、全国に約2,300あると言われています。
こちらの八坂神社では三代目「波の伊八」の作品である、「波に龍図」が見られます。
恥ずかしながら、「波の伊八」という方は初めて知ったのですが、すごい方でした。
鴨川市の生まれで房総半島を中心に活動し、100以上の寺社に彫刻を残しています。
波の彫刻が得意なことから、「波を彫らせたら天下に並ぶものなし」と言われたそうです。
昨今では葛飾北斎のグレートウェーブに影響を与えたという説があり、注目を集めています。
この八坂神社、そしてそのすぐ近くの成就院では、それぞれ三代目、二代目「波の伊八」の作品を見ることができます。

こういった、お参りする建物を拝殿と呼ぶのですね。
通常本殿(御神体などが祀られている建物)が別にあるのですが、こちらの神社は権現造と言って背後にあるタイプです。
本殿と拝殿をつなぐ石の間という別棟があるのですが、それは幣殿と呼ばれます。
訪問時はこの知識がなかったので、本殿を見逃しました、残念。
屋根の作りもいくつか種類あるようですが、少し勉強したのでこちらを例に記載してみます。
まず、前面屋根の大きな三角形の部分は「千鳥破風」です。
お城なんかでは最も一般的な破風です。
そのさらに前、お参りする際に立つ部分の上を「向拝」と言います。
この部分は(軒)唐破風と呼ばれる作りで、凸型の装飾性の高いものです。

向拝頭上に三代目「波の伊八」の「波の龍図」があります。
神社の案内板にも書いてありましたが、風化によって龍の迫力が増しています。
うずくまるような姿勢なのですが、風化によって息を潜めているかのような雰囲気をかもしだしていました。
唐破風に、輪っかが重なったマークのようなものがあります。
領主脇坂氏の家紋で、このように輪っかが二つ重なった家紋は「輪違い紋」と呼ばれているようです。
先日柴又の「真勝寺」でも同じ家紋を見たのですが、娘が気に入っていたので印象に残っていました。
柴又といえば、柴又帝釈天では四代目「波の伊八」の彫刻を見ることができます。
成就院

続いて、八坂神社から歩いて数分の成就院です。
少し奥まったところに位置しており、非常に静かで落ち着いた雰囲気でした。
二代目「波の伊八」の代表作とも言える大作を見ることができます。
本堂の扉は閉まっているのですが、階段を上がって中を覗くことはできます。
なお、階段は土足厳禁ですので要注意。

欄間と呼ばれる部分に彫刻があります。
左から順に「波に宝珠図」「波に龍図」「波に宝珠図」です。
なんと、それぞれ一枚の材で作られているそうです、すごい技術!

成就院はなぜかネット上にはほぼ情報がありません。
本堂内部が豪華絢爛なので、ぜひ一目見ていただきたいですね。
歓喜寺

最後は歓喜寺です。
この仁王門が迫力があり、遠くからでも目をひきました。
仁王像が安置されています。

カラフルな彫刻が珍しい。
思わず日光東照宮を思い出しました。
ホームページにて「徳川の栄光 歓喜寺に輝く」とあり、代々の徳川将軍より御朱印を受けたと記載されています。
徳川家康を祀っている日光東照宮からデザインの影響を受けていたとしても、不思議ではありません。
また、天井には檀家さんの家紋がカラーで描かれています。
フォトジェニックですね。


行きたかったけど、行けなかったスポット
妙楽寺
おそらく睦沢町で最も有名なスポットは、この「妙楽寺」ではないでしょうか。
座高2.8mの木造大日如来坐像は、国の重要文化財に指定されています。
ぜひ行きたかったのですが、他のスポットとは真逆の方向で、距離もあります。
バスは本数が少なく、現実的ではありません。
先述した通り、レンタサイクルも考えたのですが、残念ながら子供用のシートの貸し出しは行なっていないとのことでした。
こういった事情で、泣く泣く行くのを断念。
Xにもその旨投稿していたのですが、うめ丸くんが以下の投稿をしてくれました、ありがとう!
お寺のブログによると、1年後には気軽に見られなくなるかもしれません。
sou
続いて、3年のハーフビルドで建てられたカフェやゲストハウス「sou」。
ブログに詳しい過程が書かれていますが、色々お話伺ってみたかったです。
最近では古民家を買い取って改装したりもしているようで、そちらも興味深いです。
新生酪農千葉工場アイスクリームショップ
最後は偶然見つけたアイス屋さん。
行きのバスで横を通りました。
その際何名かのお客さんが並んでいたので、気になりました。
こちらは、パスチャイルド牛乳で作ったアイスとのことです。
パスチャイルド牛乳とは、通常よりも低い温度で殺菌する製法で作られた牛乳を指します。
そのメリットは生乳の風味を損なわず、有用な菌を残すことができる点です。
娘は大のアイス好きなので、食べさせてあげたかった。
場所としても最後の停留場「南川橋」から近いので(350m)、時間さえあれば行けました。
モデルコースのタイムラインは結構かつかつですが、もし余裕がある方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
まとめ

「千葉県全54市町村 電車旅」vol.2をお届けしました。
人口53位(54市町村中)と小さい町ですが、見どころたくさんです。
むしろ時間が足りず、いくつか諦めざるを得ませんでした。
年々人口が減ってはいるようですが、先述した大型遊具を新設したり、高校生まで医療費無料にしたりと、子供向けの施策を積極的に取られている様子が伺えます。
それによって移住する方もいらっしゃるようです。
実際、今回伺った「カフェ森」や行きたかったけど行けなかった「sou」の方も移住されたようです。
昔からある寺社仏閣と、こういった新しい風がうまく調和したいい町だと感じました。
また、すごく感覚的なことなのですが、道がとてもきれいだったように思います。
きれいというのは、ゴミがないことに加え、雑草などが道にはみ出したりしている場所がほぼなかったということです。
自然がたくさん残る地域は、雑草が多かったり虫に襲われたり蜘蛛の巣に引っかかったりします。
今回の経路では、一度もそんなことがなかったなとふと思いました。
とても心地の良い1日だったのですが、その理由を考えてみると上記のようなネガティブな面がなかったことが一因な気がします。
町の皆さんの日々の活動の賜物だなと思います。
今回の執筆にあたっても、寺社仏閣、特に建物に関する知識を増やすことができました。
自身のメモ的な意味合いもあって、その辺りのことも記載しています。
一方で、読んでくださった皆さんの体験価値が高まればとの想いもあります。

今回も娘は楽しそうに走り回っていました。
また、仁王像を見て嬉しそうに反応しており、何かを感じとっているようです。
色んな土地の空気に触れて、経験値を高めて欲しいなと思っています。

この記事も、少しでも皆さんの散策のお役に立てば大変嬉しいです。
また、その楽しさを共有できればと思いました。
以下、Xでは、訪問時のリアルな声を投稿しています。
よろしければフォローください。
次回は遠方から来てくれる義母の希望で、香取神宮に行きます。
なので、人口少ない順ではなくなりますが、香取市を訪問します。
佐原含む香取市には9月にも行きましたが、暑すぎて十分に見れませんでした。
今回は行きたいところに極力全部行き、また記事にしたいと思います。
それでは。
コメント