「千葉県54市町村 電車旅」Vol.3をお送りします!
今回は千葉県内人口21位(54市町村中)1、「趣のある小江戸の街並みとのどかな水郷の風景が広がる」香取市に行ってきました。
これまでは人口の少ない順に訪問していたのですが、遠方から来てくれた義母の希望で、今回は香取市を訪問することになりました。
9月に続き2回目の訪問です。
- 人口順位は地球の歩き方掲載順位に従っているため、最新データとは異なる場合がございます。 ↩︎
そもそも「なんでこんなことしてるの?」については、以下の記事をご覧ください。
香取市概要
立地

千葉県ホームページのエリア分けによると、「香取地域」に属しています。
昨今は、佐原地区の街並みがインスタ映えすると話題ですね。
非常に大きな市で、面積は市原市、君津市、千葉市に次いで第4位(54市町村中)です。
歴史・文化
神崎町同様、利根川沿いに位置していることもあり、香取市の中心である佐原は水運とともに栄えました。
江戸時代には、年貢米の積み出し地や物資の集積地となり、醸造業なども栄えたようです。
また、日本で初めて実測日本地図を作成した、伊能忠敬も佐原出身です。
佐原地区以外にも、全国400社の総本山である香取神宮があります。
モデルコース
タイムライン
電車やバスは土日祝の時刻を記載しています。
執筆時点(2024年11月)の時刻表ですので、実際に行かれる際は最新のものをご確認ください。
実際に訪問したスポットの順や時間と、以下モデルコースには異なる部分がございます。
「もう一度行くならこのコースと時間がベストだな」というものをモデルコースとしました。
- 11:10佐原駅着
- 徒歩移動(750m・11分)
- 11:25頃【ランチ】いなえ着
レトロな食堂好きなら「東洋軒」も(後述します)。
- 12:30頃徒歩移動(60m・1分)
- 12:35頃【デザート】きめらパーキング
※樋橋まで移動して食べるのがお勧め
- 12:40頃徒歩移動(120m・2分)
- 12:45頃樋橋(ジャージャー橋)着
- 13:00頃徒歩移動(50m・1分)
- 13:05頃伊能忠敬記念館着
- 13:30頃徒歩移動(180m・3分)
- 13:35頃佐原町並み交流館(佐原三菱館)着
- 13:50頃徒歩移動(1km・15分)
- 14:05頃観福寺着
- 14:25頃徒歩移動(500m・6分)
- 14:32「牧野」停留所から循環バスで移動
※現金のみなので、要注意
- 14:40頃【お茶】亀甲堂着
草だんごをテイクアウトし、表参道を登った神池周囲のベンチで食べるのがお勧め。
- 14:45頃徒歩移動(250m・5分)
- 14:50頃香取神宮着
- 15:25頃徒歩移動(250m・5分)
- 15:30頃【お茶】岩立本店着
- 16:00「香取神宮」停留所から循環バスで移動
※現金のみなので、要注意
※10分以上遅れるのが常なので、1本早い便にしています - 16:58佐原駅発
※1時間に1本の時間帯が多いので、乗り遅れに注意
マップ
青の番号入りがモデルコースのスポットです。
赤は行きたかったものの、時間の都合でモデルコースには含められなかったスポットです。
このマップを開いていただく(右上の「拡大地図を表示」ボタン押下)と、自動的にGoogleマップに保存されます。
二度目以降表示する方法は、以下の通り。
- Googleマップアプリ下部の「保存済み」を押下
- 画面最下部の「マイマップ」押下
一覧の中に上記マップがあるはずです。
スポット詳細
先述しましたが、実際に訪問したスポットの順や時間が異なる部分があります。
そのため、実際の訪問時間とモデルコースのタイムラインの時間とに差異が生じています。
あらかじめご了承ください。
モデルコーススポット
【ランチ】いなえ

佐原の「佐」を分解すると、「イ」「ナ」「エ」になることから、「いなえ」という店名にしたそう。
古民家カフェ好きの私としては見逃せない店です。
5年かけて再生したという古民家の中は、ホテルのような美しさでした。
インスタ映えするなと思っていたら、中のお客さんはやはり若い女性が多かったです。
Xのフォロワーは300人に満たないのに、インスタは10倍近いフォロワーがいることからも、顧客層がわかります。
訪問時の5月時点では、スコアは3.4台でしたが、現在は3.5を超えています。
食べログは公式に「3.5以上は約3%」と記載しています。
相当評価の高い店であることがわかりますね。

10:30オープンですが、11:30前に到着した時点ですでに満席でした。
待合スペースに発券機があり、登録すればその場にいなくても通知が来るようなシステムでした。
20分弱ほどで席に案内されました。


奥に4名がけソファー席が2組、それ以外は全て2名テーブルでした。
「2卓に別れますが…」と案内されたので、移動させても良いか聞いてみました。
案内くださった女性スタッフはオーナーらしき男性に確認に行ってくれたのですが、「やったことないけど…いいんじゃないの?」と回答する声が聞こえてきました。
このやりとりからも、普段はほとんどが2名のお客さんで、グループは奥の2卓で事足りるくらいの来店であることが伝わってきます。
3名以上のグループの方は我々のように申し出てみるか、少し待ち時間が発生すると思っておくほうが良いかもしれません。




丼とポークうどんの味はやさしめです。
「京都の店で修行していました」と言われれば、納得がいくような味わいです。
個人的には濃いめの味が好きではあるのですが、好みを除ければ美味しいと思います。
一転、ごまつけのうどんはゴマだれだけに味は強いです。
そこに柚子の酸味がマッチしていて、夏にとてもあった料理でした。
うどんが細めでもちもちしているのも、タレとよく合っていました。
料理だけでは3.5のスコアはやや疑問ですが、店の雰囲気は抜群なので、総合力では十分に納得です。
【デザート】きめらパーキング

名前の通り、駐車場です。
その一角で、ジェラートを販売しています。
写真にも写っていますが、「しょうゆジェラート」なる珍しいものが。
佐原が醤油で有名だからですね。


醤油ジェラートは思ったほど癖がなく、普通に食べやすかったです。
塩キャラメルとかスイカに塩などと同様、ジェラートの甘さが引き出されていましたね。
樋橋(ジャージャー橋)

「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されているエリアの中心地です。
佐原で最も有名で、多くの方がイメージされる場所ではないでしょうか?
「重要伝統的建造物群保存地区」は全国で129箇所登録されていますが、千葉県ではここだけです。
関東全体(北関東含む)でも6箇所しかなく、首都圏からは川越とこちらの佐原のアクセスが良いです。
なお、こちらの橋は30分に一度落水させており、その音から「ジャージャー橋」という通称がついています。


伊能忠敬記念館

義務教育の歴史で習うので、伊能忠敬を知らない日本人はおそらくいないでしょう。
残念ながら中は写真撮影できないので、代わりに学んだことをご紹介。
伊能忠敬は元々「伊能」姓ではなく、婿入りしてその姓となったようです。
その過程では家柄の違いもあり、苦労したようです。
しかしただ嫁ぐだけでなく、名家だった伊能家の資産をなんと3倍にするという商才を見せました。
そして人生50年と言われた時代に、50歳で江戸に移住し天文暦学を学びます。
これもお金のかかることで、伊能家に嫁がなければ実現しなかったかもしれません。
そこから測量につながっていきます。
中学時代歴史は大好きでしたが、このような事実は初めて知りました。
その他にも細かく伊能忠敬の功績を知ることができるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
佐原町並み交流館(佐原三菱館)

1914年に建てられた、三菱銀行佐原支店本館の建物です。
レンガ造りの洋風の建物はこの辺りでは珍しく、遠くからでも目立っていました。
それでいて周囲と調和しているので不思議です。
東日本大震災から10年以上休館していたのですが、3年の修復工事後、2022年4月から一般公開されました。
隣では佐原町並み交流館が営業しています。

観光案内所などに使われたりしていたようですが、この時期は特に利用されておらず、開放されていました。
素敵な箱なので、有効活用されると良いですね。


隣の交流館では、銀行時代に使われていた金庫室の中に入れます。
実際の金庫室を見たことがある方って、そう多くはないのではないでしょうか?
厚さが1mくらいありそうな扉には圧倒されます。
また、職員の皆さんが娘に声をかけてくださいました。
お茶をくれたり、人形渡してくれたり。
ちゅうけいSUNの人形はやけに娘が気に入ったので購入しようとしたのですが、残念ながら非売品で、もう手に入らないようです。
女性の職員さんは移住された方で、佐原への愛が伝わってくるコミュニケーションでした。
「交流館」にふさわしい方々です、ありがとうございました。
観福寺

今回1番のスポット!
もちろん香取神宮も素敵なのですが、有名な分前情報が多く、期待値以上はなかなか難しい。
その点、こちらの観福寺には何も知らずに行ったので、とても心動かされました。
実際にはかなり有名なスポットのようで、何度もロケ地として使われているようです。
「日本厄除け三大師」の一つともされ、厄除けにおいても有名なお寺です。
また、駐車場もP4まで用意されていたので、混む時期には混むようですね。
紅葉の時期なんかはかなりフォトジェニックかと思われます。
個人的には以下が揃った時に感動するのですが、こちらの観福寺はドンピシャでした。
- 大きな屋根の荘厳な造り
- 綺麗に整備、掃除されている(特にトイレなど)
- 人がいないなど、そのまま200年前にタイムスリップしても違和感ない雰囲気



風化と汚さは紙一重です。
が、こちらのお寺はきれいに掃除されていて、蜘蛛の巣ひとつない。
絶妙なバランスで、古さをきれいに見せています。
関わられている皆様の日々の努力に、頭が下がります。


猫ちゃんは写真で見るより大きく、にしては俊敏に動き回っていました。
最初疾走している姿が目に入った際、何らかの野獣かと思いビクッとしました笑




亀甲堂きっこうどう

食べログ3.52と高スコアのお店で、一度目に来た時から気になっていました。
二度目の訪問で、草だんごをテイクアウト。

店内で食べることもできるのですが、せっかくなので表参道の先にある神池周囲のベンチで食べました。
草だんごは美味しくはあるのですが、ちょっと水分が多く柔らかすぎる気がしました。
髙木屋老舗の草だんごに夢中なので、その他の草だんごに厳しくなっているかもしれません。
「何言ってんだ、こいつ」となった方は、こちらをご覧ください。
口コミを見る限り、こちらのお店は天ぷらが有名なようです。
次回来ることがあれば、お昼に天ぷらを食べてみたいと思います。
香取神宮

佐原の町並みと並んで、代表的なスポットである「香取神宮」。
なんと、紀元前600年創建と言われています。
「香取神宮」は有名だし、何となく「神宮」がすごいのもわかります。
しかし詳しくは知らないので、今回調べてみました。
「社格」と「社号」の二つについて理解する必要があるようです。
社格については、以前以下の記事で少し触れました。
神崎町の神崎神社が「県社」という社格でした。
県社以上は、全国11万の神社のうち1,366と1.2%です。
香取神宮の社格は最上位の「官幣大社」です。
官幣大社の数はたった62なので、0.06%ほど。
これだけでも非常に希少な神社であることがわかります。
そして「社号」です。
こちらはシンプルに申し上げると、祀っている神や神霊に由来してつけられます。
全部で4種類あり、「神宮」「大社」「宮」「神社」です。
その中で「神宮」は、祀られている神が天皇の祖先や皇族と深い関わりがある場合にのみつけられます。
ちなみに、「伊勢神宮」はその中でも別格で、文字通り社格の外に置かれています。
社格は本来序列ではないのですが、実質的に「神宮」が最上位の扱いです。
したがって、先ほどの62の官幣大社の中でもさらに希少ということがわかります。
そしてさらになのですが、明治時代より前から「神宮」の社号がついている神社は3つしかありません。
その3つは「伊勢神宮」「鹿島神宮」そして「香取神宮」なのです。
香取神宮のすごさがよく理解できました。
社号・社格ともに以下の記事が大変わかりやすかったので、気になる方はご覧ください。




前回よりも寺社に少し詳しくなった私は、香取神宮が権現造であることをあらかじめキャッチしていました。
したがって、拝殿の後ろに本殿が隠れていることになります。
その隠れた本殿こそが、国の重要文化財なので、ぜひチェックしたいところです。
ちなみに、拝殿は登録文化財です。
文化庁の定義では、有形文化財のうち、国側から指定したのが重要文化財。
所有者から登録の申請があり、登録されたものが登録文化財です。

岩立本店

明治28年創業、120年以上の歴史を持つ老舗です。
ただ、最近改装をしたようで、店内は非常にきれいでした。
食べログスコアは3.49。
一般的に「美味しい店」と認識される閾値「3.5」目前。
とは言え、既に楽天でわらび餅が大ヒットしており、お土産を買う列ができていました。

こちらのお店は店内での飲食もできるのですが、そちらはガラガラ。
一度目の訪問時、店主が関係者らしき人と話している声が聞こえてましたが、テイクアウトと通販が収益の大半で、イートインはおまけみたいなものらしいです。

さすが大ヒットのわらび餅、めちゃくちゃやわらかい。
ちゃんともちもちしているのに、フォークで苦労なく切ることができます、不思議…。
そして、コーヒーが美味しい。
ステンレス?のグラスはぬるくなりにくく、氷が溶けないので、水で薄まらないのもGoodでした。

その他
東洋軒

モデルコースには「いなえ」を入れましたが、しっかり「ご飯」を食べたい方はこちらの「東洋軒」がお勧めです。
大正15年創業で、地元に密着した老舗です。
インディアンライスはこの周辺の方々のソウルフードなのだとか。


11:00オープンで、私たちは11:30頃到着。
続々と入店あり、あっという間に満席。
その後も入店があり、諦めて帰っていった方も複数いました。
人気店なのが伺えます。
こういう店では予想できることですが、料理の提供まで時間がかかります。
滞在時間が長くなることは覚悟しておきましょう。

インディアンライスが名物なのに、我々の誰も注文しないというミス。
生姜焼き定食は、薄い豚肉にしっかり味が染み込んでいて、ご飯との相性が抜群でした。
妻のカレーも少しもらったのですが、黄色で粘度の高いカレーでした。
知らなかったのですが、義母曰く昭和はこういうカレーが普通だったそうな。
いずれも癖がなく、近辺の方が頻繁に食べに来ても飽きないだろうなという味でした。
佐原の町並みとはまた別のレトロを味わえるので、好みに合わせて「いなえ」と使い分けていただくのがいいかなと思いました。
和茶房UNO

「参道の店は和風」という固定概念を覆してくれる店構え。
窓から超絶レトロなミッキーさんはじめ、いろんなマスコットが顔を覗かせています。
でも名称は”和”茶房としているのがいいですよね。
実際団子と抹茶が人気なよう。
食べログスコアは3.46とハイスコア。
前回も今回も満席で中には入れませんでした。
俄然気になります。
次回は待ってでも行ってみようと思います。
まとめ
「千葉県全54市町村 電車旅」vol.3をお届けしました。
これまでは人口の少ない順としていましたが、それは54市町村のどこに行くか自動化することが目的でした。
今回は義母の希望により行き先が決定していたので、目的を鑑みるとルールにこだわる必要はないかなと判断し、香取市をvol.3としました。
さすがに有名観光地なので、駅から観光客をたくさん見かけました。
ネット上にもたくさん情報があるので、今回は意図して主観的なコメントを増やしてみました。
皆さんの参考になれば幸いです。

香取神宮を指名してくれた義母は、今回の訪問を大変喜んでくれていました。
娘も相変わらず、電車やバスを楽しみ、はしゃいでいました。
自身もまた、今回の執筆で新たな寺社仏閣の知識を得られました。
回を重ねるごとに知識が増え、それがさらに訪問時の体験価値を高めてくれています。
次回が楽しみです。

以下、Xでは、訪問時のリアルな声を投稿しています。
よろしければフォローください。
次回は人口順に戻って「御宿町」の予定です。
娘が風邪をひいていたり、自身が「ちばアクアラインマラソン」に出走したりで少し先になりそうです。
それでは。
コメント