2024年10月27日に行われました、「第9回水戸黄門漫遊マラソン」の模様をお送りします。
「初マラソンサブ3」狙いで出場したものの、3:41:29と撃沈。
マラソンの怖さを体験しました。
大会について
概要
水戸黄門漫遊マラソンは、茨城県水戸市で行われる公認マラソンです。
- 開催日時:2024年10月27日(日)
- 種目:フルマラソン
- 定員:10,000人
- 公認か否か:公認
- 参加料:9,000円
- 会場:茨城県三の丸庁舎広場、JR水戸駅より800m、徒歩12分
都内からJR1本で行けること、参加費が比較的安いことから、参加しやすい大会です。
申し込み
2024年は以下の通りでした。
- 方式:先着順
- エントリー期間:2024年4月24日~6月28日
先着順とありますが、期間最終日までエントリー受付していました。
毎年定員を超える出走があるようなので、大幅に上回らない場合は、最終日まで受け付けるのかもしれません。
参加賞


創業地が水戸のアパレル会社、アダストリアとコラボしたTシャツです。
Tシャツなのにポケットがついている、珍しいデザインでした。
白基調なので、大会の行き帰りに着用しても問題ないのがいいですね。
記録の出しやすさ
記録の出しやすさに関しては、3(5段階中)です。
暑さに強く、前の方でスタートできる方にとっては4かもしれません。
大きな影響を及ぼす5項目に分けて、記載します。
天候:△

今年は最高気温が25℃と、非常に暑い日でした。
天気はスタート時が晴れ、途中から曇りでした。
風はほぼなく、スタートに並んでいる段階で暑さを感じる、マラソンには厳しい天候でした。
例年の大会情報が、ホームページに記載されています。
これまでは、最高気温が20℃を少し超えるくらいだったようです。
諸説ありますが、マラソンでは10℃前後がパフォーマンスを発揮しやすいと言われています。
例年であれば許容範囲ですが、今年のように暑くなる可能性もある時期であることは否めません。
以上から、記録が狙いやすいとは言えない天候です。
高低差:◯

比較的フラットなコースでした。
特に前半は、スタート直後のアップダウン以外はほぼフラットです。
このアップダウンも、先頭付近でスタートした方以外はまだ渋滞中でしょう。
そのため、まだレースペースにはなっておらず、負荷は感じないと思います。
次は大きく進んで、ハーフ付近。
陸橋がありますが、大した勾配ではなく、距離も短いのであまり問題にはなりません。
後半は30km過ぎから所々にアップダウンがあります。
そもそもキツくなってくる段階なので、脚にきます。
とは言え、勾配も距離もそれほど大きくはありません。
最後は41km付近の激坂です。
この激坂の勾配はかなりキツいのですが、短い距離を一気に駆け上がるタイプです。
私自身は足が攣りかけて歩いたのですが、順調に来た方であれば耐えられるのではないでしょうか。
以上から、高低差の観点では比較的記録を狙いやすいと言えます。
スタートのロス:△

ホームページ上は、画像のように記載されています。
ただ、どうなのでしょうか?
私は、Bブロック最後方よりスタートしました。
グロスタイムとネットタイムの差は1分7秒。
すなわち、スタートを切るまでに1分以上かかっています。
さらに、レースペースの4:15/kmで走れるようになったのは、3~4km付近でした。
トータルで3分程度ロスしていると思います。
私はこの大会が初のフルマラソンなので、他の大会と比較できません。
ただ、サブ3を狙うにあたり、この3分は大きいと感じます。
もちろんすでにサブ3に近い記録を持っている方は、もう少し前からスタートすると思われます。
そのため、これよりもロスは少ないでしょう。
以上からあくまで個人的にですが、スタートロスは少ないとは言えないかなと思いました。
集団効果:◯
同じくらいのタイムで走る人が多いほど、記録は伸びやすい傾向にあります。
逆に単独走の時間が長いと、伸びづらくなります。
私は普段一人で練習しているため、よりその効果を大きく感じました。
集団で走る効果は以下の3つだと思います。
- メンタル面
- ペースのことを考えなくて済む
- 風よけ
集団を作れるかは、大会の規模が全てです。
水戸黄門漫遊マラソンは、コロナ禍以外の期間は1万人以上が出走しています。
これは全国でも上位の規模です。
Xで以下のような表が作られていてわかりやすかったので、ぜひ見てください。
メガレースに分類されています。
応援:◎

言わずもがな、応援は力になります。
見られているという緊張感もプラスされ、我慢がきくということもあります。
水戸黄門漫遊マラソンは、コース上ほぼ切れることなく、応援がありました。
私設エイドも多数あり、地域を挙げてのイベントであることがわかります。
完走後に知ったのですが、40km手前の梅香トンネルでの応援は名物なのですね。
もはやライブのようでした。
応援の点においては、最高の大会です。
準備
大会一週間前の調整メニュー
- 10/21(月)ランオフ
通常日曜日をランオフとしているが、日曜日の出走に合わせて1日ズラした。
- 10/22(火)10kmjog
本来15kmjogだったが、ふくらはぎの張りがあったため、疲労回復を優先し距離短縮。
- 10/23(水)10kmjog
なぜかXの投稿が埋め込めないので、ここだけ画像に。 右足首痛あり。
- 10/24(木)10kmjog
途中で5kmほどペースアップしてみるものの、4:20~4:30/km程度のペースで、LT走の3:45/kmよりもきつく、不安に。
- 10/25(金)ランオフ
- 10/26(土)ランオフ
- 10/27(日)大会当日
結局左ふくらはぎの張りは取れなかったが、かなりマシに。
直近7日間は10kmjogとランオフのみで、刺激は入れませんでした。
張りが原因と思われる、足首痛の回復を優先したためです。
前週月曜日のペース走、水曜日のLT走でふくらはぎが張っていました。
その状態で、翌日木曜日にハーフ距離走と長い距離を走ったことで発症してしまいました。
9月の中旬に足首を痛めた際も同じ流れだったので、LT走の後は短めのjogにすべきだったと思います。
目標
上記Xの投稿通りですが、目標は以下としていました。
ランニングに限らず、通常3つの異なるレベルの目標を立てることにしています。
- 最低目標:完走
- 本目標:サブ3.5
- あわよくば目標:サブ3
私は暑さにめっぽう弱いので、気温が高いとわかった時点でサブ3はほぼ無理であると思っていました。
実際初ハーフの際も、気温25℃の日に1:46。
その1ヶ月後気温が13℃の日には1:30でした。
たった1ヶ月で15分以上伸びるわけがないので、気温の影響を受けやすい体質なのだと思います。
その上で、キロ5分弱でいいサブ3.5は、余程のことがない限り達成できると踏んでいました。
ランニングアイテム

レース時は基本的に季節問わずこのスタイルです。
レース時のランニングアイテムについては、以下の記事をご覧ください。
補給

人間が体内に貯蔵できる糖質は、2,000kcalと言われています。
一方で、フルマラソンはそれ以上のカロリーを消費します。
実際30km走を行った際、ちょうど2,000kcal消費していました。
したがって、最大値の2,000kcal貯蔵した状態でスタートし、さらに途中で補給する必要があります。
その補給については、以下としました。
【スタート4時間前まで】
・固形食を終わらせる
・モルテン320を半分摂取
【スタート30分前までに】
・モルテン320の残りを摂取
【スタート後10km】
・アミノサウルス01(カフェイン入り)
【スタート後20km】
・アミノサウルス02(カフェインなし)
【スタート後30km】
・アミノサウルス01(カフェイン入り)
マラソンそのものは奮いませんでしたが、最後まで空腹を感じることはありませんでした。
補給自体は成功だったと思います。
当日
朝食

前日は21:30頃就寝、朝は4:30前に目が覚めました。
娘が目を覚ましてしまい、なかなかベッドから出してもらえませんでしたが、5:00頃には出られました。
睡眠時間は6.5時間と少し短いですが、目覚めは悪くなかったです。
朝食は体内にエネルギーを貯蔵すべく、1000kcal摂取。
意図的に高カロリーなものを摂取します。
9:00スタートなので、4時間前の5:00前に食べ終えるのが理想。
食べ終えたのは5:45頃だったので、少し遅くなってしまいました。
また、食後ちょっと胸が悪くなりました。
今思うと、食べ過ぎだったように思います。
スタートまで

JR水戸駅から、男子更衣場所の三の丸小学校まで350m、徒歩6分ほどです。

私はいつも通り、無駄な待ち時間を極力減らすべく、ギリギリを狙いました。
今回のデッドラインは、整列時間締切の8:50。
駅から更衣所、さらに手荷物預かり所までの移動時間、着替えとトイレの時間を考慮し、8:05着の電車で間に合うと判断。
臨時特急の「JR特急ときわ39号(水戸黄門漫遊マラソン39号)」を予約しました。
10/1に予約しましたが、すでに37,38号は全席満席でした。
39号も当日には満席になっていたようで、駅にてアナウンスされていました。
早めに着きたい方は、もう少し前から予約されることをお勧めします。

遅れもなく、水戸駅に到着。
駅から外に出て、歩道橋を降りるあたりまでは少し渋滞していましたが、そこからはスムーズに移動できました。

大勢の方が移動していましたし、案内くださるスタッフもいらっしゃったので、迷うことなく到着。
更衣場所にあたる体育館にも、スムーズに入れました。
着替えて手荷物を預け、トイレへ。
体育館横に仮設トイレが多数ありましたが、スタート地点に向かう道中のトイレに行くことに。
仮設トイレは列ができていたことと、スタート地点に若干逆行するためです。
女性の更衣場所である「水戸京成ホテル」が、男性にも一部トイレを貸し出していたため、並びました。
が、全然列が進まない…。
トイレを終えてjogで移動し、スタート地点に並んだのは8:49。
ギリギリです。
ちなみに、京成ホテルからスタート地点までにも複数のトイレがあり、そちらは並んでいませんでした。
何となくホテルの方がきれいだろうと思って並んだのですが、皆さん同じ思いだったのかもしれません。

ギリギリの整列だったこともあり、Bブロックの最後方に。
この時点ですでに暑く、待っているだけで若干汗ばみます。
MCが盛り上げている間に、あっという間にスタート時間を迎えました。
ゴールまで


スタート~10km

Bブロック最後方からスタートまで、1分7秒でした。
時計はそこでスタート。
スタート後すぐのアップダウン以外は、フラットです。
そのアップダウンも、先頭付近でスタートした方以外は渋滞中だと思います。
したがって、それほど速いペースで走れないので、ダメージは少ないでしょう。
3~4kmのあたりで、レースペース付近の4:15/kmまで上げられました。
それでも、まだ道路の端を走ったり、人の間を縫うような動きになります。
第一折り返しの7.5kmあたりでは、ほぼ自分のペースで走れるようになっていました。
ここまで日陰はほぼなく、すでにかなり汗をかいていました。
周囲の方も汗が光っており、暑さが厳しかったことが伺えます。
このあたりで、差し込みが発生してしまいました。
マラソン前1ヶ月ほどの間に、何度か発生していました。
中高時代含めてあまり経験がなく、対処方法が分かりません。
それほど頻繁に起こっていなかったのですが、本番で起こってしまいました。
痛みに耐えながら走っていましたが、8~9kmあたりで4:30/kmくらいまでペースダウンしました。

結果、10kmの通過は44:06。
4:25/kmのペースなので、本来はかなり余力があるはずなのですが、すでに脚がキツくなってきていました。
差し込みの痛みに耐えるため、やや前傾になっていたのが影響したかなと思います。
この時点でかなり苦しいのに、先があまりに長く、早くも精神的にキツくなっていました。
11~20km

この区間もほぼフラットながら、一部緩やかにダラダラ登る区間があります。
本来ならばさほど問題にならない勾配なのですが、差し込みの痛みと前傾姿勢による脚の疲れでキツく感じました。
4:30/kmのペースは12kmくらいまで引っ張りましたが、ここでトイレに。
少し尿意が出てきたのと、小休憩を入れればマシになるかなとの思いもあり、ダメ元で実行。
20秒くらいのロスで済んだかと思いますが、その後も痛みは治らずズルズルとタイムは落ちました。
ちょっとした上りでもキツくなってきたため、給水時に少し立ち止まったりし始めました。
このあたりで、他にも歩き始める人がパラパラと出てきていました。
Aブロックからスタートした方も歩いていたので、暑さが想定以上だったのだと思われます。

20kmの通過は1:32:03。
この時点でメンタルは削られていたものの、まだサブ3.5は諦めていませんでした。
ペースが落ちて差し込みがマシになったこと、ハーフが近づいてきたことで、少し生き返ります。
21~30km

ハーフの折り返し時に、陸橋の小さなアップダウンがあります。
短い距離な上に応援も多く、またハーフを迎えることで気持ちが高揚するので気になりませんでした。
それ以外はほぼフラットな区間。
このあたりから記憶が定かではありませんが、田舎道が続くちょっと単調な区間だったように思います。
後半は街中に入り、応援も多くなってきました。
ペースはますます落ち、キロ5分越え。
給水以外でも、ちょこちょこ歩くようになってしまいました。
沿道の関係者に「大丈夫ですか?!」と複数聞かれる始末。
そんなに悲壮な顔をしていたのだろうか…。
リタイアしている方が増えてきていたので、スタッフの方も慎重になっていたのかもしれません。

30kmの通過は2:25:37。
前半5kmは何とかキロ5付近ですが、後半5kmは6分近くなっています。
もはやタイムを気にする余裕はなく、ただただ完走だけを目指している状態。
それも脚がキツく、徒歩を挟まないと進めなくなってきました。
31km~ゴール

最後が一番厳しい区間です。
30~33km付近に大きなアップダウンがあり、その後ダラダラとした登りが続きます。
そして、一旦下った後に、激坂が待っています。
このあたりに来た時には大腿が悲鳴を上げ、少しでも登り勾配になると攣りかけるようになっていました。
大腿を攣るなど経験がなく、歩く以外に対処法を知りません。
頻繁に歩くようになり、5分台と6分台を交互に繰り返すようになります。
この区間は応援がまた多くなり、私設エイドも多数あったので、助かりました。

40kmの通過は3:26:01。
前半後半ともに、キロ6分ほどかかるようになってきています。
最後の2kmすらも、もはやペースは上がりません。
このペースでも走り続けられないほど、体が言うことを聞かなくなっていました。
初マラソンの洗礼と言われればその通りなのですが、にわかに信じられない思いでした。
この区間の途中で、サブ3.5すらも絶望的と悟りました。
それでもゴール時はポジティブな感情が湧いてきました。
実際、後日写真を見たところとても嬉しそうに笑っていました。
喜びと言うより、やっと終わったという開放感から出たものだったように思います。
結果

記録
記録:3:41:29
順位:1689位(7,842人中)
良かった点
特になし。
改善点
いろいろありますが、大きく以下の2つです。
- 気温が高かったのに、サブ3ペースの4:15で序盤走ってしまったこと
- 朝食で普段と違う食事にし、食べ過ぎたこと
ゴール後

メダルや参加賞を受け取りつつ、更衣場所の方向へ。
レッドブルが配られており、そこに長蛇の列ができていました。
並ぶ元気はなく、先を急ぎます。
手荷物を受け取り、水道が並ぶ箇所へ。
体を洗っている方がいたので、便乗して水浴びしました。
その後、更衣室で着替えて、すぐに路線バスへ。
30分ほど離れた「スーパー銭湯やまの湯」へ向かいました。
完走後すぐに向かったこともあり、到着時にはランナーはほとんど見かけませんでした。
ただ、お湯に浸かっていると、溢れるほどのランナーが入ってきたので、早めに移動しておいてよかったです。
まとめ

かなり苦い体験となった、初マラソン。
サブ3を目指して夏の間走り込んできたのですが、全く歯が立ちませんでした。
タイム云々以前に、最後まで歩かずに走り切ることすらできなかったのが、非常にショックでした。
打ちひしがれ、当日は記憶から抹消した思いにまで囚われました。
翌日には落ち着き、再度挑戦する意欲が湧いてきて、勝田全国マラソンにエントリーしました。
今回は気温の影響も大きかったかと思いますが、ペースマネジメントもマラソンに必要な要素でしょう。
いずれにせよ、脚力も足りないと感じました。
距離を踏んで脚力を鍛えつつ、ランニングエコノミーの改善のため、ピッチを上げる取り組みを行おうと思います。
この2週間後のハーフマラソンでは好走し、自信が復活しました。
フルの次戦である、1/26の勝田全国マラソンに向け再度鍛え直します。
アクアラインハーフマラソンについては、以下をご覧ください。
本記事が、水戸黄門漫遊マラソンの情報を求める方の一助となれば幸いです。
ご不明な点があれば、Xなりコメントなりでご連絡ください。
それでは。
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