「千葉県54市町村 電車旅」Vol.5をお送りします!
今回は千葉県内人口51位(54市町村中)1、「古代の横穴群や、多くの文化財を持つ町」長柄町に行ってきました。
- 人口順位は地球の歩き方掲載順位に従っているため、最新データとは異なる場合がございます。 ↩︎
今日は長柄町へ。
— 4n5(しんごー)|千葉県54市町村を娘と毎週電車旅 (@4n5_asd_main) December 7, 2024
茂原駅発着で、以下のスポットを巡る予定です。
・道の駅ながら
・眼蔵寺
・【ランチ】だるま亭
・飯尾寺
・長柄町へ横穴群
・【カフェ】夏庭 pic.twitter.com/0x3BDDwJnN
そもそも「なんでこんなことしてるの?」については、以下の記事をご覧ください。
長柄町概要
立地

千葉県ホームページのエリア分けによると、「長生地域」に属しています。
房総半島のほぼ中央に位置し、県内最大面積の市原市と接しています。
町内に鉄道は通っておらず、茂原駅からバスで移動となります。
睦沢町と似ていますね。
歴史・文化
旧石器時代の石器、縄文時代土器が出土する遺跡や、全国的にも珍しい高壇式の横穴墓が分布しています。
そのことから、古くから人が住んでいたことがわかっています。
また、豊富な地下水があることから、水源地として茂原市一帯に水を供給してきました。
昭和60年には、アース式ダムとしては日本最大級の長柄ダムが完成しています。
以来、長生エリア一帯の水源となっています。
モデルコース
タイムライン
電車やバスは土日祝の時刻を記載しています。
執筆時点(2024年12月)の時刻表ですので、実際に行かれる際は最新のものをご確認ください。
実際に訪問したスポットの順や時間と、以下モデルコースには異なる部分がございます。
「もう一度行くならこのコースと時間がベストだな」というものをモデルコースとしました。
- 9:35茂原駅着
- 9:40「茂原駅南口」停留場2番乗り場から小湊鐵道バス(茂25)で移動
※現金のみなので注意。両替機は新紙幣対応。
- 10:06「追分」停留場着
- 10:10頃徒歩移動(1.1km・14分)
- 10:25頃眼蔵寺着
- 10:40頃徒歩移動(1.7km・26分)
- 11:05頃【ランチ】だるま亭着
- 12:00頃徒歩移動(700m・9分)
※待つのを避けたい場合や、この後の時間にゆとりを持ちたい場合は「飯尾寺」へ徒歩移動(3.6km・46分)
私は徒歩移動を敢行し、途中男性に車に乗せていただけました。
感謝!!!バスを1時間待つのが嫌で、歩道のない道を歩いていたら、男性が車に乗せてくれました。
— 4n5(しんごー)|千葉県54市町村を娘と毎週電車旅 (@4n5_asd_main) December 8, 2024
この後の飯尾寺からは5km近く歩くしかないので、非常に助かりました。
感謝! pic.twitter.com/KnrPz1hquK - 12:10頃道の駅ながら着
- 13:10「六地蔵局前」停留場から小湊鐵道バス(茂25)で移動
- 13:18「鼠坂」停留所着
- 13:20頃徒歩移動(1.3km・18分)
- 13:40頃威王山飯尾寺着
- 13:50頃徒歩移動(4.4km・55分)
- 14:45頃長柄横穴群着
- 14:55頃徒歩移動(1.3km・17分)
- 15:10頃【カフェ】夏庭着
- 15:40頃徒歩移動(1.4km・20分)
- 16:02「四丁目ゆりのき通り」停留所から小湊鐵道バス(茂07)で移動
※現金のみなので注意。両替機は新紙幣対応。
- 16:18茂原駅着
マップ
青の番号入りがモデルコースのスポットです。
赤は行きたかったものの、時間の都合でモデルコースには含められなかったスポットです。
このマップを開いていただく(右上の「拡大地図を表示」ボタン押下)と、自動的にGoogleマップに保存されます。
二度目以降表示する方法は、以下の通り。
- Googleマップアプリ下部の「保存済み」を押下
- 画面最下部の「マイマップ」押下
一覧の中に上記マップがあるはずです。
スポット詳細
先述しましたが、実際に訪問したスポットの順や時間が異なる部分があります。
そのため、実際の訪問時間とモデルコースのタイムラインの時間とに差異が生じています。
あらかじめご了承ください。
モデルコーススポット
眼蔵寺

1013年開基のお寺。
梵鐘が国の重要文化財となっています。
現在は無人寺のようですが、きれいに整備されていました。


近づけないので画像だと分かりにくいですが、1264年に作られた梵鐘が国の重要文化財です。
乳無鐘という国内に3つしか現存していない、珍しいタイプの梵鐘です。
そのうち2つが、この眼蔵寺で見つかっています。
鐘の上半分には、一般的に「突起状の装飾」が施されています。
乳無鐘は、その装飾がない鐘を指します。


【ランチ】だるま亭

事前にランチする店を調べていた際、メニューが豊富そうだったので、こちらに決めました。
これだけメニューがあれば、偏食な娘でも食べられるものがありそうです。

入店が11:30前だったこともあり、まだ席は空いています。
しかし、12:00過ぎに出る頃には、テーブル席は全て埋まっていました。
地元で愛される定食屋さんですね。

店の奥側には、座敷があります。
子連れだったからか、座敷に通してもらえました。
こちらは、最後まで貸切状態でした。
店内は築年数を感じさせはしますが、きれいに掃除されている様子が見て取れました。
案内くださる女将さんも大変感じがよく、娘にも声をかけたり気遣ってくださいました。

店内に人気No1と記載があった焼肉定食をオーダー。
そばとサラダ、小鉢がついて1,000円。
安い…。
10分も経たずに提供されました。
肉は決して上質というわけではないのですが(金額を考えれば当然)、タレが美味しい。
店頭でタレを販売していたので、おそらく評判もよいのでしょう。
ご飯が進みました。

娘は、そば定食500円。
そばはうどんに変更して、炭水化物コンボ。
パクパク食べていました。
子供用のカトラリーは持ち込んでいたのですが、店側でも食器類の用意はあったようです。
関係ないですが、トイレも清潔でした。
掃除が行き届いているお店って、いいですよね。
安くて、美味しくて、感じが良くて、きれいな店でした。
ごちそうさまでした。
道の駅ながら

野菜の直売所がメインの、昔ながらの道の駅です。
休憩所もありますが、観光関連の冊子が置いてあるだけで、ショップがあるわけではありません。
正直ここで1時間潰すのは大変なので、できれば徒歩で飯尾寺へ向かう方が良いと思います。

威王山飯尾寺

1314年創建。
鎌倉時代末期に作られたと見られる木造不動明王坐像は、国の重要文化財に指定されています。
加えて、4つの町指定文化財があります。
山門と石段がやけに新しいなと思ったのですが、どうやらここ2,3年で修復されたようです。
2019年の台風19号により土砂崩れが発生し、被害があったようです。


見切れてしまっていますが、右側チラっと写っている石灯籠は1656年作。
狛犬一対は千葉県内最古のもので、1667年作だそうです。
いずれも町指定文化財です。


パッと見た際に「波の伊八」っぽいと感じたのですが、どこにも記載がありません。
先ほど調べたところ、やはり初代波の伊八の作品でした。
最近よく見ているので、ちょっと目が肥えてきました笑
晩年の作品で、1813年のものだそうです。
こちらも町指定文化財。
波の伊八については、以下の記事内「八坂神社」をご覧ください。


非常に分かりにくいのですが、右側に国の重要文化財「木造不動明王坐像」が鎮座しています。
物が多すぎて肉眼でもほぼわからず、写真では判別不能です。


長柄横穴群

36基全ての横穴墓が、史跡に指定されています。
横穴墓というのは、山の斜面に横穴を掘って作った墓です。
1300年頃前の、古墳時代後期にたくさん作られました。
長柄町のものは、高壇式という全国でも大変珍しい造りだそうです。
高壇式とは、遺体を安置する「玄室」が、一段高くなっている造りのことです。
見学できるのは、1,2,4,5,8,11,14~16,19,20号墓の11基のみです。



玄室は、天井部の断面がカマボコ形の「アーチ形」と呼ばれるものと、天井部と壁面が家の屋根と壁を模した「家型」と呼ばれるものに大きく分かれるそうです。
1号墓はガラスで覆われており中はよく見えませんが、家型とのこと。
2号墓は天井が崩落していたようですが、整備されて中まで見られるようになっています。
4号墓は現状のまま保存とのことです。



5号墓は、1号墓同様ガラス張りでよく見えません。
内部はアーチ型になっているそうです。
6号墓には人物、7号墓には弓を構える人物の線刻画が描かれているようですが、いずれもコンクリートで覆われています。
8号墓は冒頭の写真ですが、遺体を置く場所のみが高く作られていました。

13号墓には、人や鳥、五重塔などの線刻画があるそうですが、中は見えません。
16号墓には墓前域という場所があり、ここで祀りごとを行っていたと思われます。

資料館があるのですが、「休館」となっていました。
事前に連絡するか、インターホンで呼ぶようです。
屋外で十分に堪能したので、中には入りませんでした。

【カフェ】夏庭

長柄横穴群から茂原駅に戻る途中でお茶をしたく、事前にGoogleマップで調べて見つけたのがこの夏庭cafe。
ギャラリーも兼ねているようですが、私の大好きな古民家カフェ。
行かないわけには行きません。
元々、お祖母様のご自宅だったものを、オーナーがリフォームしたようです。
築160年の農家だそう。
お店の方と常連さんとおぼしき方が話しているのが聞こえてきたのですが、ちょうど前々日にテレビで放送されたようです。
千葉テレビに「市町村てくてく散歩」なる番組があるのですね。
このブログとコンセプトが似ている!

青い看板が遠くからでも目立っており、迷わず到着できました。
駐車場はアプローチ右側と、お店正面の道を隔てた反対側にも用意されていました。

アプローチ左側には、池や庭園が広がっています。
入り口はアプローチ正面ではなく、右側に外れた場所です。

入るとと大きな土間があり、すぐ横に囲炉裏が設置されています。
窓から臨く紅葉が美しい。

ギャラリーがメインで、屋内の2/3ほどのスペースに作品が展示されていました。

cafeスペースから見える裏庭。
大きな窓が設置されており、景色を楽しめます。
店内はとても上手にリフォームされており、古民家感はそのままに、清潔オシャレでした。
古民家にありがちな寒さもなく、密閉性も高いのではないでしょうか?
あえてかと思うのですが、高さのある家具がありませんでした。
TVは直に置いていましたし、ソファーもテーブルもロータイプ。
そのためか、自然に外の景色に目がいく気がしました。

フードやドリンクは、売り切れてしまっているものが多かったです。
季節のオリジナルドリンクをいただきました。
干したリンゴが入った、アップルサイダー?だったと思います。
シロップが入っていて甘いのですが、すっきりした味わいでした。

最後に、写真を撮っていただけました。
画像の左側にカウンターがあり、精算もそちらで行います。
各種キャッシュレスにも対応していました。

裏庭は、散策もできるようです。
バスの時間が迫っていたため行けませんでしたが、惜しいことをしました…。
今回食べられなかったフードと共に、改めて伺って堪能したいです。
夏庭cafe (カフェ / 茂原)
昼総合点★★★☆☆ 3.5
その他
行きたかったけど、ルートの問題上行けなかったスポットもご紹介します。
車で行かれる方は是非!
翠州亭
ソリルの森というスパリゾート内にあります。
元は、昭和6年、東京都麻布広尾町に建築された「スイス大使館建物」だったそうです。
それを、昭和53年に移設したとのこと。
こんな大きな建造物をどうやって移設したのか…すごい!
国の登録文化財です。
ランチはリーズナブルで、2,000円台が大半。
カフェに至っては、1,000円未満です。
この建築を堪能できる空間代込みと考えると、破格です。
誉田駅から無料シャトルバスが出ていて、20分で着きます。
これを利用して何とか行けないかと調べたのですが、その後の移動がハードになりすぎるので断念しました。
車で行ってみようかなー。
八平の食堂

長柄町で最もハイスコアなのが、こちらの「八平の食堂」。
たっぷりのタマネギと豚肉の甘味が溶け込んだ醤油味のスープに、自家製ラー油とすりおろしニンニクがさらにコクを加えた名物「アリランラーメン」で有名だそう。
どう考えても偏食の娘が食べられそうなものがないなと思い、断念。
もう少し大きくなったら、行きたいですね。
まとめ


「千葉県全54市町村 電車旅」vol.5をお届けしました。
前回の御宿は海の町でしたが、再び里山の町に戻ってきました。
スポットが点在しているため移動が長くなってしまいましたが、娘は終始ご機嫌でよかったです。
車があまり通らない道では、葉っぱやどんぐりを拾いつつ楽しそうに歩いていました。
今回は、行きの電車で二度席を譲っていただき、道中で二度「車に乗せようか?」と声をかけていただけました。
立ち寄ったお店でも娘に声をかけてくれたりと、親切にしていただきました。
結局いかに観光資源が素晴らしくても、心に残るのは「人」だなと思います。
今回は、いい人にしか出会わなかった旅でした。
次回は「芝山町」の予定です。
自身も娘も体調を崩さなければ、今週末訪問できるかなと思います。
おそらく、今年はそれがラストとなりそうです。
年末は去年に続き沖縄に行くので、宿泊記をお届けします。

以下、Xでは、訪問時のリアルな声を投稿しています。
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それでは!
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