「千葉県54市町村 電車旅」Vol.4をお送りします!
今回は千葉県内人口52位(54市町村中)1、「『月の沙漠』と漁業で知られるロマンある海の町」御宿町に行ってきました。
- 人口順位は地球の歩き方掲載順位に従っているため、最新データとは異なる場合がございます。 ↩︎
そもそも「なんでこんなことしてるの?」については、以下の記事をご覧ください。
御宿町概要
立地

千葉県ホームページのエリア分けによると、「夷隅地域」に属しています。
比較的大きな市や町に囲まれた、小さな町です。
スポットは、鉄道が通る海岸沿いにまとまっているため、観光しやすいです。
歴史・文化
サーフスポットや海水浴場、童謡「月の沙漠」の誕生地として知られています。
1609年には、メキシコへの帰途に岩和田沖で座礁したスペイン船乗務員ドン・ロドリゴ一行を、村民総出で300人以上救助しました。
そのことから、日本・メキシコ・スペインの3国交流がスタート。
今もメキシコのアカプルコ市やテカマチャルコ市と交流があります。
また、岩和田漁港は、イセエビでも有名です。
モデルコース
ネット上に、御宿町の情報はあまりなかったので、観光協会のXやInstagramの投稿を参考にコースを作りました。
タイムライン
電車やバスは土日祝の時刻を記載しています。
執筆時点(2024年11月)の時刻表ですので、実際に行かれる際は最新のものをご確認ください。
実際に訪問したスポットの順や時間と、以下モデルコースには異なる部分がございます。
「もう一度行くならこのコースと時間がベストだな」というものをモデルコースとしました。
- 10:58御宿駅着
- 11:00頃徒歩移動(700m・10分)
この辺りのJR高架下は、レンガのトンネルになっていることが多かったです。
- 11:10頃最明寺着
- 11:30頃徒歩移動(450m・6分)
- 11:40頃【ランチ】白鳥丸着
- 12:30頃徒歩移動(600m・8分)
- 12:40頃「ONJUKU」モニュメント着
- 12:45頃徒歩移動(100m・2分)
- 12:50頃月の沙漠記念像着
- 12:55頃徒歩移動(100m・1分)
- 13:00頃月の沙漠記念館着
- 13:15頃徒歩移動(900m・12分)
少し遠回りになりますが、海外沿いの道がお勧めです。
- 13:30頃御宿ウォールアート着
- 13:35頃徒歩移動(1.5km・20分)
- 13:55頃ドン・ロドリゴ上陸地着
※この手前あたりから、携帯の電波が入らなくなるので注意
- 14:00頃徒歩移動(1km・15分)
「小浦」と書かれた木の標識が目印です。
- 14:15頃小浦海岸手掘り隧道着
※この先にさらにフォトジェニックな場所があります。ただ、道なき道なので、足元に注意。
- 14:40頃徒歩移動(2.2km・30分)
- 15:10頃エビアミーゴのポスト着
- 15:15頃徒歩移動(1.3km・18分)
- 15:35頃レトロなトンネル(岩瀬酒造 近く)着
- 15:40頃徒歩移動(650m・9分)
- 15:50頃大蘇鉄着
- 15:55頃徒歩移動(170m・3分)
- 16:06御宿駅発
※16:12の特急わかしおでも良いと思います。
マップ
青の番号入りがモデルコースのスポットです。
以下のスポットはGoogleマップで検索しても出てこないか、別の場所を示してしまいます。
以下のマップは、私が手動でピンを立てているので、正確です。
ぜひ参考にしてください。
- 8.ドン・ロドリゴ上陸地
- 10.エビアミーゴのポスト
- 11.レトロなトンネル(岩瀬酒造 近く)
- 12.大蘇鉄
このマップを開いていただく(右上の「拡大地図を表示」ボタン押下)と、自動的にGoogleマップに保存されます。
二度目以降表示する方法は、以下の通り。
- Googleマップアプリ下部の「保存済み」を押下
- 画面最下部の「マイマップ」押下
一覧の中に上記マップがあるはずです。
スポット詳細
先述しましたが、実際に訪問したスポットの順や時間が異なる部分があります。
そのため、実際の訪問時間とモデルコースのタイムラインの時間とに差異が生じています。
あらかじめご了承ください。
モデルコーススポット
最明寺

822年建立の、歴史あるお寺です。
私はすっかり忘れて見逃してしまったのですが、この本堂の裏側に必ず立ち寄ってください。
洞窟内に鎮座する、大日如来を見ることができます。




観光協会のページにも記載がないのですが、何とこんなところに「波の伊八」の作品が!
しかも初代「波の伊八」です。
波の伊八については、以下の記事内「八坂神社」をご覧ください。
これまで2,3,4代目の作品は、睦沢町や柴又で見たのですが、初代の作品は初です。
前情報なしで行ったので、思いがけない出会いがあってテンションが上がりました。
象鼻の彫刻は初めてみたように思いますが、珍しいのでしょうか?



鐘楼の反対側に、急な階段があります。
これを登ると、観音堂があります。
蜘蛛の巣一つなかったので、手入れがされているのだと思います。
とてもきれいな景色を見られるので、ぜひ登ってみてください。

写真右側の赤い石は、「浄心石(ジャスパー)」というパワーストーンです。
手のひらを石に当て、「正直で素直な気持ちになりますように」と7回と声に出して念じるようです。
その後観音堂正面に進み、氏名・住所・願い事を声に出して述べるよう記載がありました。


観音堂の反対側に望める景色。
以降は海辺方向に向かうので、ぜひこの高台からの景色は見ておきたいところです。
【ランチ】白鳥丸

「海沿いだし、やはり魚を食べたいよね」ということで、白鳥丸へ。
元々魚屋だったそうで、お店の手前半分のお土産コーナーには鮮魚売り場が。
買った魚を調理して、飲食コーナーで食べることもできるようです。



「新鮮なお刺身を食べたいけど、西京焼きも気になる」という私のワガママなニーズにもバッチリ応えてくれる、「地魚の刺身と西京麹漬け焼きの満足定食」をオーダー。
2,250円と、その額自体は安くはないのですが、内容を考えるとコスパ抜群。
この鮮度の魚をこれだけの量食べようと思うと、都内だったらいくらかかるのか…。
地方で魚を食べる楽しみの一つです。
お刺身は見ての通り、分厚い。
カツオとブリだったと思います。
お刺身はもちろん美味しかったのですが、西京焼きが期待値を大きく上回る美味しさでした。
サバとあかうおだったと思います。
そもそも西京焼きが好きなのもあるのですが、魚の火入れが絶妙。
しっかり火は通っているのに、一切パサつきがない。
おいしかったな〜。
また、小鉢もそれぞれいちいち美味しく、どれも手抜きのない内容でした。
ご飯が足りないくらいですが、一杯はおかわり無料です。


「ONJUKU」モニュメント

御宿の映えスポット、「ONJUKUモニュメント」です。
周辺のどこから海岸にアクセスしても、見える位置にあります。
メキシコカンクンビーチのモニュメントをモチーフに、2018年に作られたそうです。
著作権の関係上、画像を載せていいのかわからないので、「メキシコカンクン デルフィネス海岸 文字型モニュメント」で検索してみてください。
確かに似ています。
こりゃ写真たくさん撮ってしまう。




関西在住の頃は和歌山が大好きで、年に一度は泊まりでツーリングしていました。
その和歌山と景色や雰囲気がとても似ていて、懐かしい気持ちになりました。
砂浜もさらさらながら歩きやすいし、ぜひ散策してみてください。
月の沙漠記念像

御宿のもう一つの象徴は、このラクダではないでしょうか?
街中いたる所で、ラクダを見かけました。
娘は何度も見たせいか、帰ってからも「ラクダ乗りたい」と言っていました。
そもそも、なぜラクダなのか。
詩人、画家の加藤まさをという方の作品である、童謡「月の沙漠」が関係しています。
私は知らなかったので調べたところ、ラクダに乗った王子様とお姫様が、砂漠を旅するという短い歌です。
ご本人は海外に行ったことがなく、結核療養のために数年間、夏ごとに来ていたという御宿海岸をモチーフにしているのでは?ということから、それを記念して像や記念館を建てたようです。
実は、出生地である静岡県焼津市がモデルであった可能性もあるようなのです。
しかし、晩年は御宿に移住していることを考えると、思い入れが小さくないことは確かでしょう。
なお、「沙」漠は誤字ではなく、「海岸の砂浜がモチーフでみずみずしさがある」という理由から、「沙」を用いたそうです。


月の沙漠記念館

1990年開館の、記念館です。
通常400円するようですが、この日は無料でした。
1Fの企画展示室が、閉まっていたからかもしれません。
加藤まさをさんが画家ということもあり、絵がたくさん展示されていました。
とは言え、それほど大きな展示室でもないので、すぐ見終わります。
建物自体がアラビア風で目立つのですが、海がバックになるようにできなかったのかなーと思いました。
正面が海側を向いているので、写真を撮ると海が映らない。
逆向きならもっとシェアされていただろうなと思いつつ、1990年だとこれほど写真が共有される時代ではなかったので、仕方ないですね。
今の世の中は、建築であれ製品であれ、設計段階で「シェアのされやすさ」を考慮しておく必要があるなと感じます。


御宿ウォールアート

岩和田漁港近くの、漁業協同組合の建物に描かれたウォールアートです。
ツーリングしている方が、バイクを前に止めて撮影していました。
迫力ある写真になりそうです。
ただ、できればもう少し高い位置から写真が撮れると最高でした。
壁が高いから同じ高さからだと海が映らず、離れると迫力が薄れてしまって、もったいない…。


ドン・ロドリゴ上陸地

先述しましたが、1609年にスペイン船乗務員ドン・ロドリゴ一行が、メキシコへの帰途で座礁した場所です。
その際、村民総出で300人以上を救助しました。
現在はきれいな景色が見れる海岸で、その気になれば海岸スレスレまで降りることができます。
私は寝てしまった娘を抱っこしていたので諦めましたが、以下のページで降りた時の様子を見ることができます。


なお、この辺りから携帯の電波が入らなくなります。
マップなどは、あらかじめオフラインでも見られるようにしておく方が良さそうです。
小浦海岸手掘り隧道

ここもまた、インスタ映えスポットとして有名な場所です。
上の写真の場所も十分神秘的なのですが、その先の海岸沿いのトンネルが本当の映えスポット。
「本当にこれであってるか?」となるほどの、道なき道を進みます。
実は上の写真のトンネルで引き返そうとしたのですが、すれ違った男性と会話するうちに再チャレンジすることに。
その男性は以前にも来たことがあるそうで、案内くださったので迷うことはありませんでした。
ただ、途中でジャンプするか草を掴んでロッククライミングさながらに越えないといけない穴に遭遇。
寝ている娘を抱っこした状態では難しく、泣く泣く諦めました。
ここまでご一緒くださった男性に感謝。
過酷とは言え、その手前ではウェディングフォトを撮っているカップルが二組いました。
また、何組かとすれ違ったので、大人でかつ道を知っていれば問題なく最後まで到達できると思います。
以下の記事などご覧になると、イメージが湧くかと思います。
帰ってから気づいたのですが、左足の功を3ヶ所虫に刺されていました。
スニーカーと靴下を超えて…すごいな。
ご注意ください。


このトンネルないは真っ暗で、足元はぬかるんでいます。
スマホのライトくらいではほぼ意味がないほど暗いので、一人だとかなり勇気がいると思います。
複数人で行かれることをお勧めします。
エビアミーゴのポスト

観光協会のSNSで紹介されていたスポット。
先述したキャラクター、エビアミーゴのカラーに塗ってあります。
御宿町地域おこし協力隊の方が考案し、役場の方が作業されたそう。
春には後ろの桜が咲き、とてもフォトジェニックなようです。
レトロなトンネル(岩瀬酒造 近く)

こちらも、観光協会のSNSで紹介されていたスポット。
実は、ここに限らずJRの高架下はこのようなレンガのトンネルが複数ありました。
最明寺に続くトンネルも、レンガ造りです。
岩瀬酒造近くとありますが、歩くと少し距離があります。
先に紹介したマップでは、ピンポイントにピンを立ててあるので、そちらを参照ください。



岩瀬酒造の敷地内に、おしゃれなレトロ建築があります。
なんと、東京タワーや大隈講堂、二代目通天閣などを手掛けた建築家、内藤多仲の設計とされている旧長谷川病院だそう。
営業時間「9:00~15:00」休館日「土日祝」の横に、「海女の群像を見られる方は扉を開けてお入りください」の文字が。
どちらが正しいかわからなかったのですが、鍵もかかっていないし、普通に窓も開けられている。
結局中途半端に、扉だけ開けて写真を撮り、中には入りませんでした。
玄関にも写真がかけられていたのですが、上半身裸の海女さんが…。
さすがに驚きましたが、当時はこれが日常だったと思われるリラックスした女性たちの表情が。
リラックスながら、力強さも感じられる表情の写真でした。

大蘇鉄

御宿町指定文化財の大蘇鉄です。
元々ここに役場があったそうで、新築された大正13年に移植されてきたようです。
少し道から入ったところにあるのですが、とても目を引く大きな木です。
また、海が近い御宿を感じさせる木でもありました。

その他
以下スポットは閉店、閉館しているようです。
特に「御宿町歴史民俗資料館」は複数のサイトおよび、御宿町のガイドマップにも掲載されています。
ご注意ください。
木かげ

電車の時間まで待機しようと思っていたのですが、残念。
これまでの町ではランチとカフェ1軒ずつ寄ってきたのですが、今回は行けず…。
途中いくつかカフェがあったので、立ち寄ればよかった。
駅前のヤックスというドラッグストアでアイスを買い、駅の待合所で食べました。
しかし、ヤックスあちこちの町で見かけます。
御宿町歴史民俗資料館


こちらは色々なサイトや、町のガイドマップにも掲載されています。
が、画像にある通り3/31にて閉館となっていますので、ご注意ください。
まとめ
「千葉県全54市町村 電車旅」vol.4をお届けしました。
これまでは「里山」的な地域が多かったのですが、今回はガラッと雰囲気が変わって「海!」な町でした。
観光スポットとなる場所はさほど多くないのですが、やはり海は強いコンテンツですね。
海辺を歩いているだけで気持ちいい。
一方で、やや海に頼りすぎなイメージも。
もう少し、サーフィンなどのマリンスポーツ以外の人も楽しめるようなお店が増えて欲しいものです。
特に飲食店の層が薄い気がしました。
旅と食は切っても切れない関係。
おしゃれカフェがほしい!



11月の頭からしばらく、風邪が治らなかった娘。
少し久々の電車でしたが、長い乗車時間でも飽きずに楽しんでいました。
海を見て喜び、ラクダに乗りたがりと大いに刺激を受けたよう。
来週は「長柄町」の予定です。
vol.2でお届けした睦沢町の隣町です。

以下、Xでは、訪問時のリアルな声を投稿しています。
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それでは!
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